福島第1原発事故によって無人の地になった20キロ圏内で、餓死しそうになっている家畜の殺処分
が24日決まった。家畜の世話をしようと、避難先から通っていた多くの住民も、22日に警戒区域
になり立ち入りはできなくなった。
南相馬市小高区飯崎で約48年間、養豚業を営む前田光雄さん(64)は「餌をあげることができないなら、
安楽死もやむを得ないのかもしれない。ただせめて、腹いっぱい食わせてからにしてほしい」と声を振り絞った。
豚約3000匹を飼育する前田さん。「前田美豚(びとん)」の名で知られ、福島県内のレストラン
などで提供されているという。原発事故が起きたのは、種豚を増やし規模を拡大した直後。
前田さんは3月12日、家族6人で福島市に避難した。
豚を連れてくるわけにはいかなかった。だが、死なせるわけにもいかない。「豚が死ねば自分も死ぬことになる」。
心配する家族を押し切って小高区に通い、豚の世話を続けた。
しかし、避難区域から警戒区域になって立ち入りが全面禁止され、餌を与えることは不可能になった。
最後に訪れたのは警戒区域指定の前日、21日だった。
豚は空腹を訴え、騒いでいた。豚舎は掃除もできず不衛生な状態で、既に死んでいる豚もいたが、
そのまま置いてくるしかなかったという。
前田さんはともに生きてきた豚を思い、「死ぬか生きるかの境目にいる。もう餓死するだけ。
とにかく餌をあげたい」と漏らす一方で、複雑な心境も語った。
「家族も無事だったし、従業員の生活もかかっている。今は気持ちを切り替えないと。原発を恨んでも仕方ない」
[河北新報]2011年04月25日月曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110425t13017.htm [関連スレ]
【原発問題】警戒区域内の家畜、殺処分開始へ 福島県、衛生上の理由 [04/24 18:17]
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1303639451/