【東日本大震災】家族の行方伝えた「忠犬」…ラブラドルレトリバーのシャネル、被災現場で一晩ほえ続ける・宮城県気仙沼市

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 宮城県気仙沼市唐桑町の大沢地区で、津波に流された飼い主ら家族3人の行方を、
一晩中ほえ続けて知らせようとした犬がいる。離れようとしなかった被災現場からは後日、
3人の遺体が見つかった。親族は「最後まで家族を守ろうとしてくれた」と感謝する。

 ラブラドルレトリバーの雌「シャネル」は、船乗りだった中村康一さん(67)一家に
飼われて8年ほどになる。

 3月11日の津波で、大沢地区は約180世帯のうち約140世帯がほぼ全壊。自宅に
いたとみられる中村さんと母めくみさん(90)、妻洋子さん(60)が流された。

 翌12日午後、地元の消防団から「黒い犬がほえて作業できない」との知らせを受けた
親戚が向かうと、家から300メートルほど内陸部にある杉山の下にシャネルがいた。
シャネルは、めくみさんが使っていた布団の上で一晩中ほえていたという。津波の中を
泳いで助かったらしい。

 親戚がその場を離れようとしないシャネルを連れ帰った3日後、現場から、シャネルのことを
娘のようにかわいがっていた洋子さんが見つかった。残る2人も後日発見された。

 シャネルは今、康一さんの妹中村てる子さん(59)の家族が面倒を見る。散歩で基礎だけが
残る康一さんの家に行くと、シャネルは尻尾を振った。

 「家族を守ろうとしてくれてありがとう」。てる子さんは、海水が乾いた後の塩が残る
黒毛を優しくなでた。

ソース:http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110423t15020.htm
飼い主ら家族の行方をほえて知らせたラブラドルレトリバーのシャネル
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2011/20110423007jd.jpg