【原発問題】原子力安全委員会、防災基本計画で定められた専門委員を現地派遣せず… 防災計画不履行・政府与党内からも批判 [4/16]

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 東京電力福島第1原発事故で、原子力安全委員会(班目春樹まだらめ・はるき委員長)が、
原発事故に対処する国の防災基本計画で定められた「緊急技術助言組織(委員計45人)」の
専門家の現地派遣をしていないことが16日明らかになった。また緊急助言組織は事故があれば
「直ちに招集」されることになっているが、一部しか集められていなかった。

 緊急助言組織の委員の間では「助言できるのに、呼ばれない」「招集の連絡がない」と
戸惑う声があり、政府・与党内からも批判が出ている。

 緊急助言組織は、原子力安全委員5人と、全国の大学教授や研究機関幹部など
「緊急事態応急対策調査委員」40人で構成。防災基本計画は、事故報告を受けた場合
「直ちに緊急技術助言組織を招集する」と規定。「あらかじめ指定された原子力安全委員及び
緊急事態応急対策調査委員を現地へ派遣する」と定めている。

 安全委は「事務局スタッフを現地に派遣して情報収集している」と説明している。
しかし防災基本計画では、専門的知識を持つ調査委員が現地で「情報の収集・分析」をするとともに
国、自治体、電力会社などの「応急対策に対し必要な技術的助言等を行う」となっている。
政府当局者の一人は「専門家が現地入りしていないのは問題だ。今後の事故調査でも検証すべきだ」と語った。
助言組織の招集について安全委は「招集とは全員集めるということではない。必要な委員は
招集している」としている。

 調査委員の話によると、事故後、多数の委員が一堂に会する機会はなく、一部の委員が
安全委に出向いたり、電話で助言をするにとどまっている。複数の委員が「招集の連絡を
受けていない」と話している。

 ある調査委員は「即時に対応できるよう準備していた。事故直後に安全委に問い合わせたが、
招集予定はないと言われた」と明言。別の調査委員は「早い時期に招集の議論があったが、
集まっていない」と語った。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201104160273.html