【東日本大震災】女性下着を被災地へ提供 仙台出身のピーチ・ジョン野口社長 [4/15]

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 仙台市出身で、女性向け衣料販売のピーチ・ジョン(東京)社長の野口美佳さん(46)
=東京都=が、被災者支援に奔走している。女性の要望が強い下着や衣料品を中心に、多くの
物資を被災地に届けている。

 「これ、いいね」「欲しかったの」
避難所となっている石巻市の河南体育センター。9日、野口さんが下着や靴下を運び込むと、
女性が次々に手を伸ばした。「着のみ着のままで逃げたので本当に助かる」。同市牡鹿地区から
避難した亀山初美さん(55)は喜んだ。

 野口さんとボランティア約20人は同日未明に、マイクロバスなどで東京を出発。宮城、
福島両県に向かう2グループに分かれ、物資を届けた。被災地入りは既に7回目。
「困っている地域から連絡が入る。特に女性の下着は要望が強い」と言う。

 震災の3日後、青葉区の実家や宮城野区の仙台支社の様子を確かめようと仙台に戻った。
この時、市に女性向けの物資を委ねたが、スムーズに行き渡らない現状を目の当たりにした。

 「行政が動けないなら、動ける人で届けてしまおう」。知人の経営者らに物資提供を呼び掛け、
ツイッターでも募集。女性用下着7万枚にコメ13トンなど、衣料から食料品、生活雑貨と
幅広い物資が集まった。仕分けも含め、延べ200人がボランティアとして関わる。

 変化する要望に応えるため、避難所の物資担当者や在宅被災者の支援グループなどと頻繁に
連絡を取り合う。「物資の担当は、生活を知っている女性にするべきだ」と訴える。

 実家は大丈夫だったが、配送センターがある仙台支社は被災し、通販事業は1カ月近く
休業状態になった。損害は少なくない。でも「どこも同じ」と前を向く。「みんなが
手伝わないとどうにもならない。被災地から要望がある限り、力が続く限り、支援を続けたい」
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110415t13048.htm