【原発問題】 乳製品など道産ブランドが苦境 海外で日本産を敬遠する動き “安全・安心”強調は、被災地の風評被害を助長する懸念も

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1うしうしタイフーンφ ★
★北海道産ブランド内憂外患、被災地配慮で拡販白紙に

 乳製品や枝豆など道産ブランドの生産者が苦境に立っている。
東日本大震災に伴う原子力発電所の事故をきっかけに、海外では日本産をひとくくりに扱って敬遠する動きがみられる。
道産品が訴えてきた“安全・安心”を強調しすぎれば、被災地周辺の風評被害を助長する懸念もあり、
販売戦略の立て直しを迫られている。

 ホクレン農業協同組合連合会は2011年産の道産銘柄米ゆめぴりかの販売戦略を見直す。
「北海道米から日本のコメへ」というキャッチコピーで首都圏などに売り込む計画を白紙に戻す。
米どころの多い被災地で生産できない農家が増える懸念があり、「販路拡大を打ち出せる状況ではなくなった」(米穀部)と判断した。

 中札内村農業協同組合ではドバイ、米国、ロシアなどへの枝豆輸出を停止した。
「原発事故のあった日本の農産物」ということで現地で敬遠されているという。
これまで海外の商談会を通じ地道に販路を開拓し、中国産などより4倍以上高くても引き合いがあった。
山本勝博組合長は「出荷停止が3カ月も続けば(現地の仕入れ担当者や消費者から)忘れられる」と苦境を語る。

 国内よりも放射能問題の情報を得にくい海外では、道産ブランドへの影響が深刻なようだ。
上海市にある道産品の常設店「北の食品」では乳製品や水産加工品などを扱ってきたが
「道産品の入手が困難になった」(店舗運営するDAMANの田中信隆総務部長)。
中国内の卸会社などが日本産の輸入を相次ぎ停止し、道産品を調達できなくなりつつある。
「道産品を店頭に並べることができなくなると『北海道産も危ない』と風評被害が発生しかねない」(田中氏)。

 これまで中国などアジアでは「道産品は安心・安全」という評判が高かった。
ここにきて売る側が安全性を強調し過ぎると「(本当は危険なのではないかと勘繰られて)
逆効果になりかねない」(香港の食品輸入会社、新大和公司)。放射能の影響など冷静に情報発信しながら、
「道産品の魅力を地道に伝えるバランスが重要になる」(中札内村農協の山本組合長)。

日経新聞 http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819491E3E3E2E2E08DE3E3E2E6E0E2E3E39EE6E3E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E2E3E0