【東日本大震災】官邸の危機対応迷走…首相菅直人は原発問題に没頭し、被災者対策は後手に回る・時事通信 [大震災1カ月]

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1空挺ラッコさん部隊ρ ★
 東日本大震災で首相官邸は、地震・津波被害と東京電力福島第1原発事故という
二つの危機への対応を同時並行で迫られた。しかし、首相菅直人は原発問題に没頭し、
被災者対策は後手に回った。前官房長官仙谷由人の副長官起用など態勢強化を図ったが、
発生1カ月を迎えた今も初動の遅れの影響は残ったままだ。(敬称略)

 ◇怒鳴る
「何でこんなことになるんだ」「説明してみろ」。原発事故発生翌日の3月12日未明。
官邸の首相執務室に菅の大声が何度も響いた。

 福島第1原発で冷却機能が失われるという深刻な事態に菅は動揺し、首相補佐官や秘書官らを
怒鳴りつけていた。菅を落ち着かせるため、菅一人を残し、全員がいったん執務室から離れた。
この後、菅は「現場を見に行きたい」と福島第1原発を自ら訪問することを決め、同日朝に
自衛隊ヘリで現地に入った。

 帰京後の同日午後、1号機で爆発が起きた。詳しい事情がなかなか伝わらないことに菅はじれていた。
「多分、水素爆発だと思います」と話す原子力安全委員長の班目春樹に対し、菅は「何言っている。
しっかり調べろ」と声を荒らげた。

 3月15日早朝には東電本社に乗り込んで「撤退などあり得ない。覚悟を決めてほしい」と発した。
声は部屋の外に響き、閉め出された記者の耳にも入った。その後は、菅が周囲に怒鳴り散らす
場面は減ったという。

 「首相は官邸を離れるべきではなかった」。菅の福島原発訪問にはこんな批判がある。
視察が東電の事故処理を遅らせたとの見方もある。だが、菅は同29日の参院予算委員会で、
現地責任者を早く知ることができたとし、「その後の経緯を考えると、極めて有効だった」と反論した。
第1原発所長の吉田昌郎に信頼感を抱いた菅は、官邸からしばしば吉田に直接電話して
指示を出すようになった。
>>2以降に続く
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011041000083