東日本大震災で大津波警報が発令され、徳島県小松島市が避難勧告を出していた中、市が避難所に指定している
県立小松島高(小松島市日開野町)で住民が避難を断られた問題で、学校の正門前で校内に入らないよう住民に
伝えていた男女は、同市の文化施設ミリカホールの職員だったことが7日わかった。
当初、男女の所属は分からなかったが、実際は市防災監理課がホールに指示して住民を近くの小学校に「誘導」。
その情報が市内部で共有されず、高校側にも伝わっていなかったのが、トラブルの一因とみられる。
同ホールによると、震災翌日の3月12日朝、同課から「小松島高に避難しようとする住民を近くの市立南小松島小に
誘導するように」などと指示され、ホールの男女職員を派遣。2人は高校正門前で、避難してきた住民を小学校に
向かわせた。2人の目が届かない生徒通用口には、「ここは避難所ではありません。南小松島小に行ってください」などと
紙に書いた看板を立てたという。
小松島高は耐震構造で新しく、暖房も完備されていたため、住民らは環境の恵まれた高校に逃げようとしたらしい。
市は誘導について、「11日深夜には高校への避難者が少なくなり、高校側から『(避難所を)閉めたい』という要望もあって、
市の施設である隣接した小学校に住民を集めることにした」という。
また、まだ耐震化が完了していない小学校に誘導した理由は「今回は遠隔地の津波による避難。小学校は
鉄筋コンクリート3階建てで、問題なかったのでは」と説明している。
一方、高校側は「閉めたいという要望はしていないし、小学校へ誘導することも聞いていなかった」と反論している。
市は県や沿岸自治体との6日の会議で、高校側が避難する住民を独自に拒否したかのように指摘し、「(県、市の)
情報共有が必要」としたが、実際は担当課から同ホール、高校側への連絡が不十分だったため、混乱を招いた。
同市の災害時の情報伝達のあり方に、課題を残した。
ソース
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110408-OYT1T00153.htm?from=main6