今は誰もいない茨城のサーフスポット
東日本大震災による津波と福島第一原発の放射能漏れ事故の余波が、茨城県内のサーフスポットにも及んでいる。
「海に入っても平気だろうか」。大会を控えたプロサーファーは練習もままならず、サーフショップは経営に打撃を受け始めている。
「いつもだったら、20〜30人は波に乗っているはずなのに……」。日立市の河原子海岸北浜でサーフショップを経営する
井上康則さん(46)は、誰もいない海を見ながら小さくつぶやいた。
市は日本有数のサーフスポットで、昨年8月には全日本サーフィン選手権大会が開かれた。
全国各地から約850人の選手が参加し、ボードさばきを競い合った のがうそのように海は静かだ。
井上さんは「地震以来、誰も海に入れない。このままなら千葉や湘南に持っていかれる。
今年は売り上げの半減は覚悟しなきゃいけない」とお手上げ状態だ。
サーフショップ経営者らでつくる「茨城サーフユニオン」によると、県内のサーフィン関連ショップは約50店、
プロサーファーは男女合わせて約20人。同ユニオンに所属する各地のメンバー25人が2日夜、
ひたちなか市内に急きょ集まり、今後の対応について話し合った。
「海岸清掃をしたいと市に申し出たが、ごみを触らない方がいいと言われた」
「こんなときにサーフィンを始めてもいいのだろうか」
「放射能の海への影響は大丈夫なのか」。4時間にわたって不安や自粛の意見が相次いだ。
各海岸では漂流ごみが堆積していたり、液状化被害で海岸まで通行できなかったりする場所もあるという。
〜長文につき、つづく〜
(2011年4月6日13時23分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110406-OYT1T00391.htm 不安げに海を眺める茨城サーフユニオンのメンバーら(茨城県日立市の河原子海岸で)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110406-233397-1-L.jpg