・東京のホテル業界関係者のあいだでショックが走った。世界的なホテルチェーンである
シャングリ・ラ ホテル東京が当面、営業を停止すると発表したのだ。原発問題でマネジャーや
シェフが帰国してしまったことと、海外からの客のキャンセルが相次いだことが引き金になった。
東京はどこも壊滅的だ。特に外資系ホテルは閑古鳥が鳴いている。「原発問題が長引き、欧米の
ビジネス客のみならず、中国やシンガポールのビジネスマンも来ない。東京離れが起こっている」
とある外資系ホテルの営業担当は嘆く。
8割以上の稼働率を誇っていた帝国ホテルも、いまや4割に落ち込んでいる。
「海外のお客のなかには、拠点を東京から香港に移す動きが加速している」(業界関係者)。
実際、香港のシャングリ・ラ ホテルは予約が急増した。
日本国内では特需はないのか。栃木県の那須塩原。ビジネスホテルでは、復旧作業や計画停電が
あるなかで、稼働率は8割以上と高い。「震災当初はクルマで逃げてきたという被災者が多かったが、
今はビジネス客の連泊が大半。福島の営業所への救援部隊がここを拠点にしている」と担当者。
他方、カジュアル衣料のH&Mやタバコのフィリップ・モリス・ジャパンなどの外資系企業の
なかには、拠点を東京から大阪に移す動きが出てきた。大阪のホテル業界は、「3月の稼働率は
前年同月を上回った」(帝国ホテル大阪幹部)とはいうものの、表情は暗い。「今はむしろホテルから
借り上げマンションに入居させる方向に動いている」ためだ。
レオパレス21には、「福島の工場の従業員を別の工場にシフトさせるため」と、大震災後に延べ
1万件もの問い合わせが舞い込んだという。3000件の契約にこぎ着けた。その一方で、
「ライフラインが復旧した」などの理由で、4000件のキャンセルがあった。特需も長続きはしないようだ。
「春休みは東京から離れたいというお客が多いためか、沖縄のホテルの稼働がいい」
(スーパーホテル)という声も部分的には聞かれる。それでもピンポイント。
自粛ムードも加わってホテル業界の苦境はしばらく続きそうだ。(抜粋)
http://news.livedoor.com/article/detail/5464331/ ※前:
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