宮城県が24日に発表した南三陸町の仮設住宅(第1次着工分)建設予定地に、
町民から反発の声が上がっている。予定地とされた同町志津川の「清水小跡地」(50戸)は
大津波にのみ込まれ、被災者には被害の記憶が生々しいためだ。
清水小は3年前に閉校。海岸から約800メートルしか離れておらず、
今回の大津波では体育館が流されるなどの被害が出た。
「よりによって、どうしてあの場所。津波が心配で眠れない」。自宅が全壊し、
同町総合体育館に身を寄せる阿部まゆみさん(42)は、予定地選びに疑問を抱く。
大津波で防潮堤は大破したままで、不安は大きい。実姉と自宅を津波で失った
高橋総良さん(62)も「海の近くではなく、もっと高いところに建ててほしい」と願う。
町によると、県に候補地として提示した約5カ所の中に、同跡地が入っていた。
丘陵地が海岸に迫る地理的な事情から、すぐにはまとまった面積を確保することが
難しいため、やむなく同跡地を含めたという。
佐藤仁町長は25日、「町民の思いからすれば(反発は)当然で、建設場所に
ならないようにしたい」と述べ、県に見直しを求める考えを示した。
ソース:
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110326t13034.htm