福島第一原発の放水作業を支援するため、19日に派遣された大阪市消防局の緊急消防援助隊は、
海や川の水を遠距離からくみ上げて送水する高い技術力を備える。
隊員53人は全員志願者で、士気は盛んだという。
原発火災では、市消防局は、放水用の水を供給する送水活動に従事する。市消防局が阪神大震災の
神戸市長田区の大火で消火に当たった際、消火栓から水が出ず、消防車を中継してホースをつないで海から取水した。
この教訓から、海や川からポンプとホースで毎分3トンを1キロ先に送水する遠距離大量送水システム「ドラゴンブースト」を
独自開発。今回は3キロのホースを用意し、途中で消防車に接続して距離を延ばした。
隊員らは20日早朝に福島県いわき市の前線基地に到着し、活動中の自衛隊や東京消防庁と合流。防護服を着用し、
線量計で被曝(ひばく)量を確認しながらの作業の上、現場はがれきであふれ、岸壁が崩れるなど、
「被曝する危険があるなか、作業は容易ではないはず」(消防局関係者)という。
東大阪市内の大阪市消防学校から現地に派遣される隊員を見送った平松邦夫市長は記者団に、
「日本国中の祈るような気持ちにきっと応えてくれると信じている」と述べた。
(2011年3月20日12時14分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110320-OYT1T00225.htm?from=main1 福島第一原発へ出発する大阪市消防局の緊急消防援助隊(東大阪市で)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110320-926566-1-N.jpg