菅直人首相が東日本大震災対応で与野党の垣根や党内対立を越えた態勢をつくろうと躍起に
なっている。
自民党との連立政権を画策し、十九日、谷垣禎一総裁に入閣を要請。対立関係にある
民主党の小沢一郎元代表にも協力を求めた。しかし、谷垣氏は拒否、小沢氏の態度も
はっきりしない。首相の狙い通りには進んでいない。
谷垣氏は同日夕、首相に入閣を断った後の記者会見で「新しい連立をつくるには、政策を
どうするのか、ある程度の下支えの議論が必要だ。国家的危機だから『はい、そうですか』
とはいかない」と述べた。
民主党は震災発生以降、自民党との連立政権を模索していた。十六日夜には仙谷由人代表代行、
岡田克也幹事長が自民党の大島理森副総裁、石原伸晃幹事長と会談し、自民党議員の入閣を打診。
自民党が十八日の与野党対策合同会議で、閣僚を三人増やす法改正に反対しなかったため、
自民党側が受け入れる可能性はあるとみた。
首相としては、危機的状況を克服するために、過去に災害復興の実績を積んできた
自民党の経験を生かしたかったほか、大連立によって、ねじれ国会を解消すれば、今後の
国会運営も楽になると考えた。
ただ、自民党は動かなかった。民主党側の提案は唐突で、危機的状況とはいえ、これまで
批判してきた菅政権と手を組むわけにはいかないとの筋論が大勢を占めた。
また、今回の打診は震災対応というよりも、首相の政局安定を狙った計算によるものとの
見方が強く、「抱きつき戦術」(小坂憲次参院幹事長)を拒否した。
*+*+ 東京新聞 2011/03/20[08:53:59.97] +*+*
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011032002000051.html