政府・民主党は14日、東京電力へのいら立ちを強めた。同日朝に開始する予定だった「計画停電」
(輪番停電)の実施が定まらず、市民生活が混乱したためだ。電力需給逼迫(ひっぱく)の原因となった
福島第1原発の事故に関する同社の対応への不満も背景にある。未曽有の震災対応に当惑する政権側の
焦燥感の表れともいえそうだ。
「どういうことだ。俺を誰だと思っているんだ」。民主党の仙谷由人代表代行は13日夜、計画停電が
病院や交通機関に与える影響を東電側に問い合わせた。しかし、明確な回答はなく、「ご不明な点は
カスタマーセンターまで」と書かれた紙がファクスで送られてきたため、仙谷氏は担当者を怒鳴りつけた。
計画停電については、菅直人首相自ら13日夜に記者会見し、了承を発表したが、14日朝からの
実施は直前で取りやめられた。一方、停電を織り込んでいた交通機関は路線・本数を限定、臨時休業する
百貨店などが相次いだ。結果として、国民に不便を強いることを要請した政府のメンツがつぶされた形で、
枝野幸男官房長官は記者会見で「官邸への情報も当初、正確ではないものが届いていた」と、東電への
不信をあらわにした。
政府・民主党は、福島第1原発事故への対応が後手に回り、野党から酷評された。首相は13日、
社民党の福島瑞穂党首に「東電の報告が遅れた」と指摘。首相としては東電側の責任と言いたかったよう
だが、政府と東電で連携が不十分なことは間違いなく、「責任転嫁」との批判も出そうだ。(
▽時事ドットコム
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