伊香保温泉(群馬県渋川市)の名所・石段街の街並みに統一感を出そうと全国公募した景観デザインコンペで、
東京都の建築設計会社「オデッセイオブイスカ」の作品が最優秀賞(一般部門)に決まった。
看板を兼ねた古風なあんどんで統一感を出し、夜には石段を照らすという提案で、実現性の高さが評価された。
主催したNPO法人「元気石段街まちづくりの会」(理事長=福田朋英・伊香保温泉旅館協同組合理事長)と渋川市は、
月内にも説明会を開き、名乗りを上げる商店などがあれば、早速改修に乗り出す。改修には半額が補助される。
コンペには昨年12月から今年2月までに一般部門39点、学生部門7点の応募があった。
最優秀賞のオ社のタイトルは「GoingbacktoRealIKAHOagain!」(もう一度、本来の伊香保に戻ろう!)。
石段街に並ぶ商店や土産物店などの色や形の違う看板や街路灯などを「この地区の持っていた風情や魅力と逆行する」と指摘。こうした看板をやめ、足元に共通のあんどんを設置することを提案している。
夜には石段街が幻想的に浮かび上がる構想で、オ社の溝渕一真代表は「絵描きが集まるような景観になれば」と説明する。
このほか、生活感のあるメーターボックスや倉庫などは格子戸で覆ったり、壁面の素材感や色味を統一したりすることも
提案している。福田理事長は「すでに乗り気の飲食店もある。動き出せば、続々と手を挙げるのでは」と期待している。
学生部門の最優秀賞は、前橋工科大2年の諏訪敦さんの「石段の街・伊香保っと」が選ばれた。
(2011年3月4日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/news/20110304-OYT8T00340.htm 現在の石段街(左)と、最優秀作品の改修イメージ図(オデッセイ オブ イスカ提供)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110304-655918-1-N.jpg