平成23年度予算案は1日未明の衆院本会議で、民主、国民新両党などの賛成
多数で可決、衆院を通過した。本会議採決では、会派離脱を表明している渡辺
浩一郎衆院議員ら民主党議員16人が欠席。党執行部は“造反行為”とみなし、
処分を検討している。菅直人首相は、野党が多数を握る参院攻防に加え、党内
にも不満分子を抱えたことになり、今後、一層厳しい政権運営を強いられそうだ。
16人は民主党の小沢一郎元代表に近く、民主党会派からの離脱表明も、小沢
氏に対する党員資格停止処分への不満があるとみられる。今回の“造反”も、
執行部に対する揺さぶりの意味合いが強い。
ただ、執行部内には「予算案への造反は、首相指名選挙や内閣不信任案での造
反に匹敵する重大な反党行為」(国対幹部)との声がある。岡田克也幹事長も
2月28日の記者会見で「(造反があれば)厳正に対処する」と述べていた。
小沢氏は28日夜の本会議には欠席したが、1日未明の本会議には出席し、予
算案に賛成票を投じた。
予算案は憲法の規定により、参院送付後30日で自然成立するため、年度内成
立が確定した。ただ、与党は、赤字公債発行のための特例公債法案など予算執
行の裏付けとなる予算関連法案の衆院通過を遅らせる方針をとっている。関連
法案は参院で否決される見通しだが、与党は衆院での再可決に必要な3分の2
以上の議席を確保できていない。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110301/stt11030103560002-n1.htm