【社会】子ども貧国 日本 栄養源、給食だけ 先生たちの危機感

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1上品な記者φ ★
 給食の時間は戦場だ。名古屋市内の小学校に勤める好子先生(52)は毎日、ひどく頭を悩ませる。

 「先生、コウジ君の方がおかずが多い」「先生、ヒトミちゃんがスパゲティばっかり食べてる」。
まるでヒナが親鳥に分け前をアピールするようだ。

 そんな騒ぎを治めつつ、好子先生がこっそりとごはんを大盛りにする子たちがいる。朝食を食べて来ない児童だ。

 おなかがすいていると、授業に集中できない。騒いで暴れると、他の子にも影響する。
暴れる子は一人や二人は昔からいたが、数人となると、先生一人では対処できない。

 「落ち着かないなあと思っていたら、朝食を食べてきていない子ばかりだった」と最近、気づいた。

 忘れられない子がいる。8年前に教えたタカオ君だ。

 クラスのみんなが給食を食べる前に、自分の皿にツバをつけていた。
「汚いからやめてよ」と注意すると「だって、タカオ君にとられちゃうもん」。

 タカオ君は授業中もじっとしていることができず、乱暴な振る舞いが目立っていた。
母子家庭で、母親はアルコール依存症だった。冷蔵庫には、食材どころか調味料すら入っていなかった。

 養護教諭にも相談し、登校後、こっそりとバナナなどをあげていた。でも、その時は乱暴な振る舞いが、
空腹のせいだとは思わなかった。

 小学校を卒業して「どうしてるかなあ」と思っていたら、悪い知らせが来た。
タカオ君が中学校の給食室に盗みに入って捕まったのだ。

(続く)

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/hinkoku/list/CK2011022302000130.html
小学生の男児は給食で出されたふりかけご飯を「ごちそう」と言った
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/hinkoku/list/images/PK2011022302100101_size0.jpg