自民党は早期の衆院解散・総選挙を目指し、民主党政権への攻勢を一段と強める方針だ。
菅直人首相が退陣した場合でも2011年度予算関連法案の成立には協力せず、公明党などと連携して解散に追い込みたい考えだ。
「衆院選を打つなら、その後はいかようにも協力して乗り越えていく道が開かれていく」。
自民党の谷垣禎一総裁は21日、都内で開かれた日本経団連との会合でこう語り、
民主党が首相退陣と引き換えに予算関連法案への協力を要請してきても、次期衆院選前は一切拒否する考えを強調した。
谷垣氏は20日、都内のホテルで逢沢一郎国対委員長、脇雅史参院国対委員長らと協議し、こうした方針を確認した。
世論は菅首相の統治能力だけでなく、民主党の政権担当能力自体にも懐疑的な視線を向けていると判断しているためだ。
執行部は、支持率が低迷する首相に対しては審議拒否戦術よりも、徹底論戦を挑む方が得策とみている。
このため、衆院予算委員会でさらなる集中審議の実施など一定の審議時間が確保されれば、
予算案について、年度内成立が確定する3月2日までの衆院通過を容認する方向だ。
小沢一郎民主党元代表の証人喚問に関しても、予算案採決の条件とはせず、参院審議で引き続き追及することで、
「政治とカネに後ろ向きな民主党」の姿勢を印象付けたい考え。特例公債法案など予算関連法案の審議も引き延ばさず、
3月末にも参院で否決した上で廃案を目指す。
民主党内で小沢系衆院議員16人が会派離脱を表明し、対立が激化していることから、
内閣不信任決議案や首相問責決議案の効果的な提出時期も慎重に探る構え。
ただ、首相は政権維持に強い意欲を示しており、自民党内では「解散に追い込めたとしても、
4月の統一地方選以降」(幹部)との見方が多い。
自民党への期待が世論に高まっているとも言い難い状況で、党内には「今、衆院選を戦っても、
民主党も自民党も過半数を取れない」(中堅)と冷静な声も上がっている。(2011/02/21-23:28)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2011022100882