★消費税に限界論 年金も子供手当もなんでも消費税で解決…ってホント?
民主党がマニフェスト(政権公約)施策で掲げた子ども手当の財源に消費税を充てる案が、
政府内で浮上した。だが、公約施策の財源は、行政の無駄削減で捻出する計画だったはずだ。
社会保障の一体改革議論のどさくさに紛れ、菅直人政権が何から何まで消費税に財源を押し
つければ、際限なき税率引き上げが国民生活にのしかかる。
厚生労働省の試算では、子ども手当を満額支給(月額2万6千円)した場合、地方負担分を含めて
5・4兆円の財源が必要となる。1%当たり2・4兆円で換算すると、仮に全額消費税で賄うなら2%強の
増税になる。
消費税5%の税収のうち国の取り分は約6割だ。現行制度ではこれを高齢者3経費(基礎年金、医療、
介護)に充てている。平成23年度予算案ベースでは17・2兆円の経費のうち、消費税で賄えているのは
7・2兆円にすぎない。不足分の10兆円は国債などの借金で穴埋めしているのが実情だ。
借金に頼らないためには、計算上は消費税4%強の引き上げが必要となる。高齢化が進むことで
32年度には増税幅を7%弱(16・3兆円)にまで広げなくてはならず、もしも子ども手当まで全額面倒を
みるなら、消費税率はざっと14%にしなければならなくなる。地方に回す分の上乗せが必要ならさらに
引き上げが求められる計算だ。
実際には、他の税制や財源確保策とあわせて議論をすることになるが、消費税頼みに歯止めが
かかりにくい状況に変わりはない。
与謝野馨経済財政担当相が、一体改革の中に子ども手当も含まれるとの考えを示したのは、自公政権
時代に成立した21年度税制改正法の付則の消費税の使途に「少子化」も加えると明記してあるためだが、
このままでは消費税依存が無軌道に加速しかねない。
▽ソース (産経ニュース) 2011.2.8 23:08
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110208/fnc11020823120024-n1.htm