八百長メール問題で揺れる日本相撲協会は6日、巡業部が緊急会議を開き今年、
予定していた約30か所全ての巡業の中止を決定した。江戸時代から始まった
大相撲の巡業で全て中止になった年はなく、協会広報部によると相撲史400
年で初の事態という。この日、臨時理事会で大相撲春場所(3月13日初日・
大阪府立体育会館)の中止を決めたが、本場所だけでなく巡業の全面中止で約
20億円近い損失が予想され、大相撲は甚大なダメージを被ることになった。
中止は春場所だけでなかった。全国に大相撲を普及する巡業も全ての開催が消
滅した。今年はすでに日程が発表になっている4月の春から、8月の夏、10
月の秋、さらに12月の冬巡業で、北海道から九州まで全国約30か所で行う
予定だった。協会は巡業で2億7341万3000円の収入を見込んでいたが、
中止で全てを失った。
複数の巡業部の親方によると理由は本場所の中止だ。この日の臨時理事会で春
場所の開催を正式に断念。加えて放駒理事長は八百長メール問題の真相を究明
し、処分を下すまで本場所は行わない方針を固めた。これを受けて巡業部は緊
急会議を開いた。巡業は地方の勧進元との契約は半年前が通例。3月の春場所
の中止で秋巡業の契約は難しい。さらに5月の夏場所の開催も危ぶまれ、現時
点で冬巡業の契約を結ぶことも不透明になった。このため巡業部は本場所の開
催が分からない状況での開催は無理と決断した。放駒理事長は「この問題が解
明できるまでは難しい」と苦渋の表情を浮かべた。
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http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20110207-OHT1T00035.htm