【裁判員裁判】元消防士に懲役8年求刑 女子高生強姦致傷
帰宅途中の女子高生に乱暴してけがをさせたとして、強姦致傷罪に問われた宇都宮市戸祭町、
元消防士の無職津田泰正被告(26)の裁判員裁判第3回公判が2日、宇都宮地裁(佐藤正信
裁判長)で開かれた。検察側は「被害者の恐怖は想像を絶し、どれほどの苦痛か計りかねる。
今も苦しみ、悲しい日々を送っている」として懲役8年を求刑。弁護側は「決して性的異常者ではない」
と懲役5年の求刑意見を述べた。
検察側は論告で「被害者は当時15歳で、夢に向かって幸せだった日常生活を奪われた」と
結果の重大性を強調。津田被告が目出し帽を用意していた周到さなどにも触れて「性的欲求を
満たすため被害者の人格を無視しており、同情すべき余地はない」と主張した。被害者参加
弁護人も「可能な限りの最大の刑」を求めた。
弁護側は「ストレスで正常心を失い性欲を制御できなかった。公平であるべき裁判所は被害者の
立場になってはいけない」と訴え、示談を申し出ていることなどを有利な情状として挙げた。
意見陳述に立った父親は「(消防士として)何のために体を鍛えていたのか。女子高生を
襲うためではないはず」とし、母親は「私たちは事件のときのまま時間が止まってしまった。
娘は夢と笑顔、将来、青春、彼氏−。すべてを失った」と涙ながらに厳罰を訴えた。
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20110203/452414