大規模噴火は数千年に一度。警戒は無駄―事業仕分け
「大規模噴火は数千年に1度なのに24時間の監視が必要なのか」。
6月に気象庁で開 かれた、国土交通省対象の事業仕分け「行政事業レビュー」。
活発に活動する全国の火山に高精度の観測機器を設置するという同庁の整備事業に対し、
経済評論家の勝間和代氏ら「仕分け人」から厳しい指摘が相次いだ。
麻生政権当時の補正予算で整備は決まった。
(中略)
そうしたなか、文部科学省は08年、大学が観測している全国の33火山のうち、
活動が盛んな16火山で観測を強化する方針を打ち出した。
残りの17火山については大学の裁量に任せ、支援はしない。
強化対象の16火山については5年程度で、文科省と独立行政法人防災科学技術研究所が高精度の観測機器を設ける。
09年度にはまず5火山8カ所に機器を導入した。
ところが、この計画も政権交代による方針変更などが重なって今年度は予算がつかず、観測強化は看板倒れ寸前だ。
しかも、長野県と岐阜県境で79年に有史以来初めて噴火し、91年、07年にも小規模な噴火を繰り返している御岳山でさえ、
観測強化の対象からはずされた。観測を続ける名古屋大の木股文昭教授は「気象庁の観測体制が不十分なまま大学の観測網が縮小されている。
これでは活火山の監視をやめるに等しい」と話す。
(2010年7月6日 朝日新聞)
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