沖縄県は24日、民主党政権の目玉政策である国から自治体への一括交付金について、
2月議会に提出する2011年度予算案に一部を計上しない方針を固めた。使途が限られ、
「地方が自由に使える」とする民主党の公約にはほど遠いためだ。
仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事が近く上京して、未計上分を県が望む政策に
使えるよう菅政権に求める。
菅政権は11年度予算案で、初めて一括交付金として都道府県向けに計5120億円を計上し、
特定事業への「ひも付き補助金」の一部を振りかえた。だが実際の使途は道路や学校の
整備など9事業に限られ、多くの自治体で前年度から継続している事業が対象となっている。
このため一括交付金になっても、使途を思うように変えられない。
沖縄県も同様で、配分される321億円の多くを9事業にあてざるを得ない。このままでは、
対象事業を扱う省庁との間で補助金制度のときと同じようなやり取りも続きそうで
「メニューの少ないカタログ付き商品券」(県幹部)との不満が強まっている。
「せめて1割程度は、9事業以外に使いたい」と考える県は、その分を当初予算案に
計上しない方針。仲井真氏は「電線地中化や空港整備に取っておく」と話す。
政権が県の主張を認めれば、改めて補正予算に盛り込む考えだ。
仲井真氏は21日、沖縄を訪れた枝野幸男官房長官に一括交付金について「自由度を高めて
頂きたい」と要請。「11年度は対象事業の枠を超え事業の実施を可能とする」と記した
要望書も渡している。
沖縄県は都道府県でも当初予算案を議会に提出する時期が早いため、こうした動きが
他に先駆けて表面化した。他県でも今後予算編成が進めば、こうした議論が
広がる可能性がある。
*+*+ asahi.com 2011/01/26[07:40:57] +*+*
http://www.asahi.com/politics/update/0125/TKY201101240542.html