大阪府羽曳野市教委が発掘した6世紀中頃の前方後円墳「城不動坂古墳」(同市古市)で、
横穴式石室が民間の宅地開発で取り壊されていたことが分かった。
市教委によると、同古墳は、世界文化遺産の暫定リスト入りが決まった「古市古墳群」内の
安閑天皇陵と同時期に築造された可能性が高い。同天皇陵の近くにあることから、被葬者は
安閑天皇とかかわりが深い人物とみられる。
同古墳は、宅地開発に伴って市教委が別の遺構を調査中、偶然石室の一部が出土した。
2009年2月から本格的に調査し、石室の玄室は縦4・2メートル、横1・6メートルで全長36
メートルの前方後円墳の一部だったことが判明した。
市教委は遺構を保存するよう業者に打診したが、交渉は難航。一方、土地の買い取りなど
には数千万円の費用が必要なことなどから、やむなく保存を断念したという。
(2011年1月24日15時39分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110124-OYT1T00212.htm?from=main4