世界自然遺産の北海道・知床半島。羅臼町の浜で、網が角に絡みついたエゾシカに遭遇した。
防護網から逃げた際に絡んだとみられ、地元では髪形から“アフロ鹿”とも。エゾシカの数は増え、
被害も増加。しかし、駆除のハードルは高い。
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平成17年に世界自然遺産に指定された北海道知床半島で、増えたエゾシカの駆除に苦慮している。
関係者は「自然植物が破壊されてしまう」と嘆く。
角に網が絡みついたもじゃもじゃ頭の“アフロ鹿”が羅臼町の昆布浜をゆったりと歩いていた。
植木や家庭菜園を食べるため民家に下りた際、防護網に使われた古い漁網に絡まり、そのまま逃げたと思われる。
知床の動植物などの調査研究を行っている知床財団によると、知床のエゾシカの数はここ20年で急増。
17年の調査では1万頭近いエゾシカが生息していることが分かった。
これに伴い、被害も増加。北海道によると、21年の農業・林業の被害額は元年の3・5倍に達した。
増えすぎたシカが樹皮を食いちぎり樹木を枯らしたり、たくさんの新芽を食べてしまう事態も起きている。
駆除が必要だが、世界遺産の指定で駆除が難しくなった上、ハンターの高齢化▽資金不足
▽シカを食べる文化がない−などで容易に減らすことができない。
知床財団の石名坂豪研究員は「現状では規制にがんじがらめで、頭数調整の策が打てない」と頭を悩ませている。
ソース:
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110121/scn11012121370028-n1.htm