アメリカ人は、原爆については自分たちのしたことなので、投下決定は正しかったとしながらも
多少の「後ろめたさ」につきまとわれているのだが、イギリス人にはそれがない。
だからBBCは良心に何ら恥じることもなくカミカゼとパールハーバーを連発した。メディアも同じ、
たとえばインディペンデント紙は次のように書いている(2001.9/12)。
<昨日のニューヨークのすさまじいテロ行為に匹敵する事例が過去にあっただろうか。
アメリカにとって一番近い出来事は1941年のパールハーバーに違いなく、同じように卑劣な攻撃で
何千ものアメリカ人が命を失った…今回のテロは、日本軍によるハワイ攻撃と同様、戦争行為である。>
他の新聞も似たり寄ったりで、予告もない残虐卑劣なテロ行為はパールハーバー以来、と書き立てている。
つまり、日本軍の悪辣ぶりは史上まれに見るもので、イギリス人の目から見ると、当時の日本人は
ビンラディンのテロリスト一味と肩を並べるに等しい悪者なのだ。
ブレア首相は期待に違わず、「イギリスは正義とモラルの国である。ヒトラーと日本の悪を打ちかましたのと
同じように、我々の正義はテロリストの悪を打ちかまし、自由と平和の民主主義世界を確立しなければならない」
と「イギリス正義」を連発。当然ながら、繰り返される彼の世界平和のビジョンの中に日本は入っていない(中国は言及されているが)。
緑ゆうこ『イギリス人は「理想」がお好き』
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