・「前払いクーポン割引サービス」が大失態を演じてしまった。本連載で懸念したトラブルが
顕在化してしまったのである。
半額で購入し自宅に送られてきたおせち料理が見本と違い、中には食用に適さないものも
あったという。サービス事業者とレストランは全額返金などの対応を発表しているが、
ツイッターや2ちゃんねるなどではおせち料理を提供したレストラン側を責める声が多く
代表が辞任する騒ぎに発展している。
この記事中では、誤解のないようにあえて「前払いクーポン割引サービス(略して前払い
クーポン)」と記載する。「クーポン共同購入」と呼んでいること自体が誤解を与えている
可能性が高いからである。「共同購入サービス」と「前払いクーポン割引サービス」には
明確な違いがある。
まず「共同購入サービス」は、仕入れのスケールメリットを提供企業が顧客に還元する
ことにより値引きが可能なサービスを指す。最低数量をクリアすれば必ず商品を送るため、
仕入れや送料、梱包などの実費がかかることから割引率を引き上げることは難しい。
また、提供企業のメリットは主に利益であり大きな値引きができない。それは
「利益」=「売り上げ」−「原価(仕入れ)」−「送料」−「追加人件費」−「手数料」という構造に
なるからである。
一方で「前払いクーポン」は通常、設備型の来店サービスに適用される。そして企業側は
追加投資なしで売り上げを増やすことができ、顧客獲得や知名度向上などのメリットも
期待できるので大幅な割り引きが可能である。企業側の利益は「売り上げ」−
「原価(仕入れ)」−「送料」−「追加人件費」−「手数料(提供サービスや決済)」に
加えて、直接的なプラス要因として、+「クーポン未使用率」+「原材料棄損率の
低下」、間接的な効果として「体験者・リピーターの獲得」がある。
ではおせち通販を考えてみよう。通常商品ではないので追加の仕入れは
必ず発生する上に、商品の未消化は発生しない、提供時期は一括の上、通常商品では
ないのでリピーターは期待できない。(
>>2-10につづく)
http://www.advertimes.com/20110105/article4417/ ※前:
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1294190437/