ここ数年、「就職氷河期」が続いているのはご存じの通りだが、
その厳しい競争を勝ち抜いた新入社員の半数以上が、
すでに退職を考えながら仕事しているという驚きの調査結果が出た。
一体、どういうことなのか。 《2010年度に入社した新入社員の多くが、入社半年の間に
仕事に対するモチベーションを下げ、50%以上が辞職を意識しながら働いている》
人材育成コンサルタント会社シェイク(東京・目黒)がまとめた「10年度入社社会人の意識調査」で、
就職氷河期“勝ち組”の意外な「意識」が明らかになった。
従業員規模200人以上の企業に勤務する入社1年目の正社員155人を対象に実施し、
仕事に対するモチベーションが「高い」と「やや高い」を合わせた回答は昨年比7・1ポイント減の47・8%。
対して、「退職が頭をチラつく」との回答は51・7%と過半数を占めた。
難関を突破しながら、新入社員たちはすでに退職を意識し始めているというのだ。
「彼らは『青い鳥症候群』ですね」と語るのは、大学生向け就職対策ゼミを主宰する経済ジャーナリストの阪東恭一氏。
「厳しい就職戦線で、第一志望の会社に入れる学生はごくわずか。それ以外の大半の新入社員たちは常に
『自分にふさわしい職場はここじゃない。もっと自分に合った場所がある』との思いにさいなまれています。
常に青い鳥を探している状態なのでしょう。だから、職場で辛いことがあると踏ん張りがきかない。
同僚との競争のプレッシャーにも耐えられない傾向があります」
実際、就職ランキングで毎年上位に食い込む超大手企業でさえ、「最初の半年で約400人中80人弱が退職、
もしくは退職の意思表示をした」(人事担当者)という。ただ、その動機は「希望の部署ではない」
「営業ノルマが厳しい」といったもので、理由自体は10年前と変わらない。
それでも、100社以上受けてどこにも就職できなかった学生やその親たちからすれば、
ぜいたく過ぎる理由に思える。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110105/dms1101051612016-n1.htm