菅直人首相が4日の記者会見で、小沢一郎民主党元代表が政治資金規正法違反事件で
起訴された場合の同氏の「出処進退」にまで踏み込んだのは、「小沢切り」の姿勢を鮮明にして、
政治とカネの問題への国民の不信感の払拭(ふっしょく)を図り、政権浮揚につなげる狙いがある。
首相は、昨年6月の菅内閣発足時と同9月の内閣改造の際に、人事などで「脱小沢」を打ち出し、
内閣支持率の上昇に結びつけた。三たび小沢氏を「活用」するのは、たちあがれ日本など
野党との連携工作が不発に終わり、国会の「衆参ねじれ」の状態が変わらない中では、
「自分たちの血が出ても、前に進むしかない」(周辺)と考えたからにほかならない。
首相は会見で、政治の道を志した理由に触れ、「田中角栄元首相が闇将軍と呼ばれてきた姿を見て、
日本の政治を変えなければとの思いを強くした」と強調。
田中元首相と、そのまな弟子とも言える小沢氏をダブらせることで、日本政治に長く横たわる
「政治とカネ」の問題からの脱却を訴えた。
ただ、実際に小沢氏を切り捨てれば、党内に深刻な亀裂が生じるのは必至だ。
小沢氏が議員辞職や離党に応じない場合、どう対処するつもりなのか。首相の「本気度」も同時に問われる。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011010400436