★【激動2010 政界回顧録】(下)「仙谷」時代到来 失言、暴言、食言…
国民の期待を追い風に出帆した「鳩山丸」は、鳩山由紀夫前首相の無責任な言動が嵐
を招き、わずか8カ月半で沈没した。民主党政権2代目は市民活動家出身の菅直人首
相。ところが、その存在感は薄く、首相官邸を支配したのは仙谷由人官房長官だった。
永田町は与野党激突の「仙谷(戦国)時代」に突入した。
× × ×
「な、なんぼ? もう少し欲しいね…」
菅内閣発足前日の6月7日。官房長官に内定した仙谷氏は記者団から「内閣支持率が
6割に迫る」と聞き、さらに欲張った。この日の記者会見では、軽薄な言動で自滅した
鳩山由紀夫前首相を暗に批判した。
「一つ一つの言動で国民の信頼を損なわないようなマネジメントのあり方を学ばなけ
ればならない」
ところが、皮肉にも当の仙谷氏の失言、暴言、食言により、政権は信頼を損ねていった。
就任直後から予兆はあった。弁護士出身の仙谷氏は法律知識をひけらかす「癖」があ
る。6月16日の記者会見で、菅首相が副総理・国家戦略担当相時代に「沖縄独立論」
を述べたとされる件を問われ、得意満面でこう語った。
「検証しようがない伝聞証拠は、刑事訴訟法で言えば証拠能力がない」
同じ日の記者会見で、参院本会議で質問に立った自民党の西田昌司氏を念頭に「罵詈
(ばり)雑言を投げつける質問をした方がいた。国会でなければ名誉毀損(きそん)の
告訴状を3本も4本も出ざるを得ない」と言い放った。
(続く)
■ソース(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101230/stt1012301958004-n1.htm