済州島は、韓国最大の島で、人口56万3000人の島。これまでは、韓国の教育熱はすさまじく、
「キロギアッパ」で知られるように、若いうちから子供に英語を覚えさせるために、
夫を置いて、妻と子で米国に渡り、夫の仕送りで米国の名門中高に通わせることが一般的であった。
そうした、優秀な学生が世界に出て行く流れに変化をもたらす兆しが見えている。
韓国に世界中の優れた学校のアジア校を建て、そこに世界中から人を集めようとしている。
まさに国家を挙げてアジアで教育主導権を取り、アジアの知の拠点化を図る動きの本格化だ。
150年を超える歴史を持つノース・ロンドン・カレッジエイト・スクール(North London Collegiate School=NLCS)。
英国にある世界でも非常に名の知れた最高のボーディングスクールだ。
現在、世界で最も評価を受けている小中高の教育課程であるインターナショナル・バカロレア(IBプログラム)を
採用する学校の中で、2010年まで5年連続世界1位の学校である。
卒業生の4割以上は毎年、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、米国のアイビーリーグに進学をする。
この学校が、長い歴史で初の姉妹校を韓国の済州島に設立し、2011年9月から始動するという。
カリキュラムの運営管理も先生の採用もすべて本校が行い、質も含めて本校が厳しく管理する。
そうした素晴らしい教育であるが、年間に必要な費用は寄宿費も含めて約300万円程度と、
日本でインターナショナルスクールに行くことと変わらない。
日本からも相当数が、韓国に渡ることが予想される。ではなぜ、こうした学校が日本や中国ではなく、韓国を選ぶのか?
「韓国に決めた理由は、国家レベルで世界最高峰の教育を誘致するよう進めている
アジアで唯一の国であったから」とNLCS済州島高の校長は2010年12月15日の日本でのお披露目会で話した。
続けて、「世界中はアジアに注目をしており、国家100年の計を決める教育で
アジアのどの国が主導権を握るかは重要で、韓国が大きく主導権を握り始めている」という。
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