福岡県内で朝鮮学校を運営する学校法人「福岡朝鮮学園」(北九州市)が県と市から補助金を
二重取りしていた問題で、同学園が県に平成21年度分の補助金を申請した直後に、市に対し
県からの補助金はないとする報告書を提出していたことが16日、わかった。学園は二重取りに
ついて「事務処理上のミス」としてきたが、同様の申請と報告は少なくとも過去5年間繰り返され、
「故意」の二重取りだった疑いが出てきた。
福岡県や北九州市によると、同学園は北九州朝鮮初級学校(同市)、九州朝鮮中高級学校(同)、
福岡朝鮮初級学校(福岡市)の3校を運営。福岡県は学園に、北九州市は市内の2校に対し毎年度、
文化活動やスポーツ大会などの費用の一部に充当する補助金を交付している。
情報公開請求で開示された21年度分の申請書などによると、学園は同年9月、北九州市に
サッカーの交流試合や学芸会など、1760万円相当(2校分)の事業について補助金を申請。
計400万円の補助金を受け、年度内にすべての事業を実施した。
年度末の22年3月30〜31日には、対象事業に県からの補助金は充てず、市からの補助金と
学費などの収入で事業を完了したとの報告書を同市に提出した。
しかし、学園は直前の3月27日、県に21年度分として、北九州市から補助金を受けた事業を
含む1613万円相当の事業について補助金を申請。800万円の交付を受けたが、約91万円分の
事業は同市からも補助金を受けていた。
市に「県補助金の充当はなし」との報告をしながら、県から同じ事業名目で補助金を受け取る
“手口”は、資料の残る17年度以降、毎年続いており、少なくとも、17年度約311万円分
▽18年度約101万円分▽19年度約587万円分▽20年度約53万円分−の事業が重複。
21年度分と合わせると二重取りは総額1143万円分の事業にのぼる。
産経新聞の取材に同学園は「担当者が不在で答えられない」としている。
▽産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/education/101216/edc1012162217004-n1.htm