◇領土を失えば環境も守れない
とことん「現場主義」である。地球温暖化で融解の危機にあるヒマラヤやキリマンジャロの氷河から、
南太平洋で水没の危機が叫ばれるツバル。戦没者遺骨収集のフィリピン、沖縄。エベレストや富士山での清掃登山…。
野口健さん(37)は、疑問を感じたらまず現場へ飛び、「自分の肌で感じること」をモットーにしている。
「現場に行かなきゃ分からないことがたくさんある。そして現場で“見てしまったら”どうしても
“背負ってしまう”んですよ」。そうして背負い込んだテーマは年々増えてゆくばかり。
この日の報告会には、野口さんの幅広い活動でつながりができた、さまざまなジャンルの人たちが集まった。
プロスキーヤーで2008年に75歳でエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さん(78)は
「冒険家」としての大先輩。「僕らはなかなかできなかったんだが、ヒマラヤなど(野口さんの)
“地球の屋根”をきれいにしよう、という運動は今や大きく広がっている。こんなアドベンチャーをする
若者が出てきたことは素晴らしいことだ」
政界からもエールが送られた。衆院議員の城内(きうち)実さん(45)は、「今の日本は、
おかしくなってきている。これからの日本を大きく正しく変えるのは、外国でも通用する野口さんのような人ではないか」と持ち上げた。
今秋からは、尖閣諸島の固有種で絶滅の危機にあるセンカクモグラなどの種を守るという、
新たな活動もスタート。内閣官房への上陸調査の要望、シンポジウムの開催などを、矢継ぎ早に繰り出し、
国会でも取り上げられている。
野口さんは、「こんな活動を始めると、すぐ『野口は右翼だ』といわれるが、領土を失えば環境も
守れないではないか。これからも現場で起きていることを伝えていく」と決意を新たにしていた。(喜多由浩)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101212/plc1012120941006-n1.htm 野口健さん(右)と三浦雄一郎さん
http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/policy/101212/plc1012120941006-p1.jpg