収益低迷に苦しむ京都府営の向日町競輪場(向日市)について、存廃を議論している府検討委員会は29日、今後も収支改善は困難として、
府に対し事業廃止を求める提言をすることを決めた。検討委の報告を受け府は今後の対応を決めるが、提言に沿った方針を打ち出すとみられ、
事実上、競輪事業の廃止が固まった。
2011年度のレース開催が決まっており、廃止時期は早くても12年度以降とみられる。今後は跡地活用や従業員の処遇などが焦点になる。
向日町競輪場は1950年に開設。車券の売上高はピークの87年度には403億円に達したが、近年はファンの高齢化や若者の競輪離れで、
98〜02年度と09年度に単年度赤字を計上するなど苦しい経営が続いている。
競輪事業の大きな目的である府一般会計への繰入額は、収益が伸びていた74、75年度は最高の28億円以上に達したが、
00〜08年度はゼロだった。府がまとめた今後の収支見通しでは、最良の場合でも赤字が見込まれている。
この日の検討委では、委員から「今後の収支を見通すと継続はできない」「府の負担にならないうちに廃止を」との声が相次ぎ、
田中敦仁委員長(関西学院大教授)が「継続する合理的理由が希薄。廃止もやむを得ない」と取りまとめた。
山田啓二知事に対し来年2月をめどに事業廃止を求める提言を正式に行う方針だ。
全国的にも競輪事業を取り巻く状況は厳しく、大津市も今年9月に、来年3月での「大津びわこ競輪場」の事業廃止を決めている。
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