今夏の猛暑による生育障害で商品価値の低い「規格外」の米が大量発生している。
過剰作付けによる米余りで米価が下落する中、群馬県の生産者から「ダブルパンチだ」と悲鳴が
上がっている。
規格外
米価を左右するのは、米を「見た目の美しさ」で判断する等級検査だ。1〜3等に分類されない
「規格外」の米は例年、食用として流通することはないが、今年は猛暑で、米粒の一部が白濁した
「規格外」が多く出た。中毛地域を中心に軒並み被害を受けている。
JA佐波伊勢崎は15日現在、約3割の検査を終えたが、主力品種「ゴロピカリ」はすべて規格外。
ゴロピカリを5ヘクタール作付けした専業農家、清水市太郎さん(53)(伊勢崎市)が持ち込んだもみは、
まだ検査途中だが「今年はもうだめだろう」とあきらめ顔で話す。
県内産米の多くは、JA全農ぐんまを経由して、卸業者などに買い取られる。全農ぐんまは
「検査未了のため価格は未定」とするが、独自ルートで米を販売するJA邑楽館林が決めた「規格外」の
今年の買い取り価格は、全品種一律5000円。1等米の6割近い価格に落ち込んでいる。
生産目標超過
「規格外」による米価低迷に追い打ちをかけているのは、近年の米余りだ。
減反に協力しない生産者も多く、農林水産省によると、2010年産米の予想収量824万トン
(10月15日現在)は、生産数量目標を11万トンも超過。09年産米の売れ残りは、10月末時点で
約24万トンに達している。
出荷業者が卸業者などに米を販売する際の「相対取引価格」(同省発表)を見ると、09年9月の
全銘柄平均価格(60キロ当たり)は1万5169円だったが、今年9月は1万3040円と2000円以上も
下落した。
「炊けば同じだが…」規格外と米価下落、農家悲鳴 : サプライズ47 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/surprise/20101116-OYT8T00304.htm