【国際】在ジュネーブ代表部がWTO会合で取り上げる予定だったレアアース問題を自粛 外務省が「待った」

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日本の在ジュネーブ国際機関代表部が、中国によるレアアース(希土類)対日輸出が滞っている問題を
10月の世界貿易機関(WTO)の会合で取り上げる準備をしていたところ、外務省が「待った」をかけ、
発言を自粛していたことが分かった。複数の通商交渉筋が明らかにした。

日本企業はハイテク製品の生産で中国のレアアースに依存。発言自粛には、日中関係のさらなる悪化で
日本企業へのダメージが広がるのを防ぐとともに、当時横浜でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)
首脳会議を控え、中国の胡錦濤国家主席との首脳会談に影響が及ぶのを避ける意図があったとみられる。

10月の会合で日本の代表団は当初、経済産業省が実施した国内企業各社へのアンケート結果などを
基にレアアースの対日輸出手続きが滞った事実を説明し、WTO協定違反の可能性もあるとして深刻な
懸念をWTO加盟各国に伝えようとしていたもようだ。

中国によるレアアース輸出停滞が発覚したのは、沖縄県・尖閣諸島付近で起きた漁船衝突事件で
中国人船長の拘置延長が決まった後の9月23日。大畠章宏経産相はその翌日、WTO提訴の可能性に
言及した。

中国はWTO協定に抵触する「禁輸措置」を否定したが、その後、欧米向けの輸出も滞っていることが
判明。日米欧はWTO提訴も視野に入れ、調査を本格化している。

http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2010111602000182.html