アジア市場へ上場目指す 日本のベンチャー企業
韓国や台湾で株式上場を目指す日本のベンチャー企業が出てきた。
速やかな資金調達が課題となるベンチャー企業にとって、韓国などの新興市場は、
迅速な上場審査や簡略化された手続きなどが魅力。国内の投資家が出資に
二の足を踏む中、「アジアマネー」を取り込んで事業を拡大する動きが広がりそうだ。
野菜の選び方や調理法を教える「野菜ソムリエ講座」などを運営している
フードディスカバリー(東京)は、年内にも韓国の新興市場コスダックに
上場を申請。調達資金と上場による知名度アップで、事業の拡大を目指す方針だ。
アニメ製作のディー・エル・イー(東京)は来年6月をめどに
台湾の証券取引所に上場する計画。台湾での提携企業探しにもつなげたい考えで、
将来は台湾を入り口に中国のアニメ市場に本格参入したい意向だ。
当初は国内での上場を目指したものの「短期間で上場が可能」として
韓国のコスダック市場上場を検討したのは、インターネット証券の
クリック証券(東京)。このほか飲食店チェーンや
情報技術(IT)系企業などが、アジアでの上場を検討している。
日本では大阪証券取引所の新興市場、ジャスダックとヘラクレスを統合した
「新ジャスダック市場」が10月12日から取引を開始したが、日本のベンチャー企業の
アジア市場上場は「来年にかけて10社を上回る見込み」(市場関係者)という。
一方、アジアのマネーが日本に乗り込んでくるケースもある。
中国系ファンドのシティック・キャピタル・パートナーズは
東山フイルム(名古屋市)に対し株式公開買い付け(TOB)を実施。
東山フイルムは出資金を活用し携帯電話などに使う高機能フィルムを
中国市場に売り込む事業を強化している。
2010/11/02 13:03 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110201000135.html