中国の民主活動家、劉暁波氏(54)にノーベル平和賞授与を決めた、ノーベル賞委員会の
ヤーグラン委員長は、23日付の米ニューヨーク・タイムズ紙などに寄稿し、授賞決定で
中国政府の反体制派への弾圧が強まり、かえって状況を悪化させたとの批判にこたえ
「私たちは沈黙すべきでもないし、できない」と主張した。そのうえで「急速に発展する
中国が今後、国際社会と調和したければ、まず自国民に表現の自由を保障しなければならない」
と中国に姿勢転換を求めた。
委員長は、中国政府が賞の授与を「内政干渉」と批判したことに反論。国家主権のあり方が
国連創設や世界人権宣言など国際化の中で変化し「もはや国家は無制限な力はない」と指摘した。
そのうえで「中国が民主国家でないにせよ、国連加盟国の中国は世界人権宣言を
順守する義務を負う」とクギをさした。
さらに普遍的な人権に基づく国際社会の中では「(政府と)異なる社会システムを
支持する場合でも表現の自由を保障する義務がある」と述べた。
ノーベル賞委員会が、ソ連の反体制派サハロフ博士や公民権運動に取り組んだ
米キング牧師に平和賞を授与した歴史に触れ、「(表現の自由の)権利こそ平和賞の授与で
ノーベル賞委が長く支えてきたものだ」と記した。
中国の批判は「驚きはしない」としたうえで、授賞が逆効果だったとの批判に
「(沈黙することは)基本的な人権を侵害する事態に陥りかねない」と反論。
「どの国も(世界人権宣言を守る)国際的義務を無視する権利はない」と述べた。
*+*+ 毎日jp 2010/10/24[22:19:39] +*+*
http://mainichi.jp/select/world/asia/news/20101025k0000m030079000c.html