米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁とボストン地区連銀のローゼングレン総裁は16日、連邦準備理事会(FRB)は
景気を支えるため一段と積極的な措置を講じる必要がある、との考えを示した。
エバンス総裁は、ボストン地区連銀主催の会合で講演し、「私の見方では、現在はさらなる緩和策が適切だ」と指摘。
ローゼングレン総裁も同じ会合で、日本がデフレ脱却に苦しんだ例を取り上げ、積極的な緩和策が必要だとの見方を示した。
ローゼングレン総裁は、日本のデフレとの戦いは「治療」よりも「予防措置」をとる方がはるかに容易であることを示している
と指摘、政策当局者は「悪性の」デフレが定着する前に積極的に対処する必要があるとの考えを示した。
同総裁は「デフレリスクに保険をかける方が、実際に(デフレが)起きるのを待ってから対処しようとするよりも、
はるかにコストが少なくて済むだろう。緩やかな対応は、デフレ圧力が家計や企業の支出に影響を与える前に積極的に
対応することに比べ、効果的ではない可能性がある」と述べた。
一方、エバンス総裁は、FRBは低金利を維持する方針を表明すると同時に、現在のインフレ率が目標を下回っていることを踏まえ、
一時的に高いインフレ目標を設定することを検討すべきだと指摘。家計や企業が将来について慎重になり、緩和策にもかかわらず
投資よりも貯蓄を重視している現状においては、物価水準ターゲットが有効な政策になり得る、との見方を示した。
ローゼングレン総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を保有。
エバンズ総裁は現在は投票権を持っていないが、来年は投票権を保有することになる。
バーナンキFRB議長も15日の講演で、米経済を支えるためにさらなる措置が必要だとの考えを示しており、
FRBが11月2―3日のFOMCで追加措置に踏み切るとの見方が高まっている。
2010年 10月 18日 08:29 JST
ロイター
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-17702420101017