駅やオフィス街で黒のスーツに身を固め、携帯電話を握り締めている男女学生の姿が目立つ。
来春卒業予定者の就職活動が終わらぬうちに、早くも二〇一二年卒の就活が始まった。
既卒者や中途(経験者)を含めて企業の採用姿勢は年々厳しさを増している。
低成長と円高、デフレなど経営環境の悪化に加え、経済のグローバル化で国内雇用の
過剰感が根強い。
またバブル崩壊後の一九九五年、旧日経連(現日本経団連)が発表した「新時代の日本的経営」
の影響が残っている。各社は成果主義賃金を導入し正社員採用を幹部候補生に絞った。
こんな背景があるから若者たちが必死になってエントリーシートを送っても、
面談から採用内定にまではなかなか進まない。
政府はこのほど、追加経済対策で新卒者や既卒者を正社員に採用した企業へ奨励金を
支給することを決めた。また経済界に対して高校・大学の既卒者を、卒業後三年は
新卒と同様の扱いにすることも求めた。
だが企業側の反応は冷ややかだ。採用を抑える一方“青田買い”は続ける。
その結果、大学生は三年の秋から最長一年半も就活を続けなければならない。
*+*+ 東京新聞 2010/10/18[08:08:36] +*+*
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2010101802000049.html