ライオン株式会社 分析技術センター、およびにライオン商事株式会社は14日、
犬用トイレや犬の体に付着した細菌とオシッコ臭に関する研究結果を発表した。
両社は昨年9月に猫用トイレの悪臭を生じさせる原因菌の一部を特定したことを発表しているが、
今回の研究ではターゲットを犬に移し、犬のトイレ周りなどの細菌類と尿臭の関連について調査が行われた。
発表によると、犬用トイレ(内側、底部、トイレシート上)、および犬の体表(肉球、お腹、肛門周り)34ヶ所の拭き取り調査を行った結果、
検出された細菌数は昨年猫用トイレで同様の調査を行った際に採取した細菌とほぼ同等レベルだったという。
また、犬の体表からは、尿を分解してアンモニアを発生させる「スタフィロコッカス属細菌」が検出されたが、
犬用トイレから採取された細菌からは、アンモニアを発生させる菌は検出できなかった。
さらに、犬の体表および猫用トイレから採取した、アンモニア発生能を持つ菌について、
犬・猫各々の尿と一緒に菌を培養して尿の分解によるアンモニア発生量の測定・比較を行った結果、
猫用トイレに付着していた細菌は、犬の体表に付着していた細菌に比べて尿の分解活性が高く、
培養後24時間では犬の尿で20倍以上、猫の尿では30倍以上も差があることがわかった。また、
猫用トイレに付着していた細菌は、犬の尿よりも猫の尿と混合培養した方がより多くのアンモニアを発生させたという。
昨年両社が発表した内容によると、悪臭の原因となる「スタフィロコッカス」「ヨトガリコッカス」は耐塩性細菌に分類されており、
猫の尿が付着・乾燥したトイレの、塩濃度が高い環境に耐えられるため多く存在するのだという。
犬の体表からは関連菌が検出されたものの、猫の場合と違いトイレからは検出できなかったことについて同社は、
乾燥しやすい体表や猫砂と違い、吸水性に優れたシート状の犬用トイレは、排泄された尿がシート内に保持されるため
湿潤した状態が長く続くことが、アンモニア発生量の違いに影響を与えたのではないかと分析している。
ソース WPN
http://www.petoffice.co.jp/wpn/news.cgi?shop=honten&no=n2010101501