★政府の無力見透かした為替市場
普通なら「疑心暗鬼」は警戒感を生むものだが、菅政権の場合は周囲に安心感を与え
るらしい。「政府が2度目の円売り介入した」とウワサされた24日午後、円が1ドル
=85円40銭と1円程度急落した。しかし、野田財務相ら関係者が「コメントしな
い」と確認を拒んだことから、市場では「な〜んだ、介入してないんじゃん」との見方
が広まってしまった。
前回、1ドル=82円台が政府の防衛ラインと認める発言をした仙谷官房長官も、今
回は「コメントできる立場にない」と口をつぐんだ。みんなの党の渡辺喜美代表から
「本当にバカだ。日本が滅ぶ」とボロクソに言われたのがこたえたのかも知れないが、
市場は「ノーコメント」を無為無策の表れと見透かしたのだ。おかげで円は、たった2
時間で84円台に逆戻りである。
(中略)
「やり方が稚拙」と憤るのは銀行関係者。
「前回も2〜3日介入を続ければ流れを変えられたのに、1日でやめたから尻すぼみに
終わった。一気に86〜87円にまで戻すチャンスをフイにしています」
もともと「単独介入は効き目がない」(明大教授・高木勝氏)といわれるが、市場と
の心理戦にすら勝てない政府が円高を止められたら奇跡である。
(日刊ゲンダイ2010年9月25日掲載)
http://news.www.infoseek.co.jp/gendainet/society/story/28gendainet000126349/