>>511の続き
◆日本は〜南シナ海の手口を教訓として中国の次の一手を予測し、対応準備をしておかねばならない〜◆
中国政府は今回、尖閣の領有権を主張し続けた結果として日本が折れたという事実を
大いなる成果として、さらにこれにつけ込むはずである。
まず、大量の中国漁船が尖閣の領海内に堂々と入り、違法操業をすることが予想される。
報道を見ても帰国した船長は英雄扱いである。「彼に続け」そして「みんなで渡れば怖くない」的な民衆心理を中国政府は利用にかかるだろう。
その際、中国漁船を守るという理由で中国海軍が尖閣周辺に接近してくることも予想しておかねばならない。
時には尖閣の領海に入ったりして、日本の態度を瀬踏みすることも考えられる。
また、民間人が尖閣に上陸し、主権碑を設置したり、灯台や見張り台などの設置を試みたりするかもしれない。
これを海上保安庁が阻止し逮捕したりすると、今回以上の強硬な報復カードを持ち出すに違いない。
その後はいよいよ中国海軍の出番となる。
日本は何を準備し、どう対応すべきか。先ずはパワーバランスに留意し、力の空白を作らぬことである。
中国は力の信奉者である。力の空白には躊躇なく入り込むのが力の信奉者の常套手段である。
今回の事件も政権交代以降、日米関係がギクシャクし、日米同盟が漂流寸前なのを見透かしたうえでの中国の確信犯的行動といえる。
領有権に関しては冷静かつ毅然とした態度で臨み、力には力をというファイティングポーズを崩さず、隙を見せぬことが大事である。
次回また起こったら、厳しい対応で臨むと警告を発し、揺るぎない姿勢を表明しておくとともに、
挑発的行動をさせない対処力、抑止力を保持しておかねばならない。
問題は、日本には現在、独力で中国に対峙できるだけの外交力、軍事力に乏しいことにある。
自衛隊はあっても平時の領域警備の法的根拠は与えられておらず、外交の後盾としての軍事力の役割は果たし得ない。