“デリヘルに勤めているけど処女”…概念は時代によって変わる
★[処女ブーム復活]の謎
2010.09.17
20代から80代までの、総勢56人の処女喪失のエピソードを集めた『だれでも一度は、処女だった。』の
著者、千木良悠子氏は語る。
「かつての日本は、未婚女性の性はオープンなものでした。明治時代後半から、西洋の考え方に影響されて、
処女=素晴らしい、という風潮になったんです。それが薄れ始めたのは、70年代からですね。私が学生だった
90年代には、もはや『早く処女を捨てないとダサい』という感じでした。つまり処女という言葉自体、人や時代
によって全然捉え方が違うんです」
千木良氏が取材してきたなかで特に象徴的なのが、“デリヘルに勤めているけど処女”と言い張る20代女性の
エピソードだ。
「彼女は、失恋を機にデリヘルで働き始めたそうです。また『平凡な自分がコンプレックスで、特殊な経験をして
みたかった』と言っていました。私は話を聞いて、『本当にそれでいいの? デリヘルは辞めたら?』と言いました。
本当はデリヘルで働くことを怖がっていたのに、その悪循環を誰も止めなかった。今は価値観が多様化しすぎて、
男女ともに、性に関しても絶対的な指標がありません。反動として、そこの隙間に、“処女信仰”という一種の
宗教が入り込み始めたのかもしれません」
同書を千木良氏と共著した辛酸なめ子氏も、処女信仰の復活をトレンド史の側面から解説する。
「90年代にギャル系ファッションが隆盛を極めていた頃は、恋愛や性に積極的な風潮でした。しかし今は森ガールを
はじめ、重ね着ファッションが主流。それを見て男性が『貞操を守っていそう』『ガードが堅そう』と勝手に妄想している
傾向もありそうです」
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20100917/zsp1009171547000-n1.htm 続く