・日本振興銀行の破綻で政府は10日、預金の払戻保証額に上限を設けるペイオフを
初めて実施する方針を表明。東京都千代田区の本店ビル前などに大きな混乱は
なかったものの、怒りや困惑の表情を見せる預金者の姿もあった。
夫が約2千万円預金しているという東京都台東区の70代女性は本店を訪れ
「だまされた。やられたと思った。預金は今日が満期日だったので昨日解約
すればよかった。汗水流してためたお金なのに」と半ばあきらめ顔。今後の
銀行選びを問われると「安全第一ね」とつぶやいた。
ニュースを見て駆け付けた中年男性は、金利の高さにひかれ1千万円を預金
しているといい、「保護されるとは思うが、まず説明を聞きたい。その上で全額を
引き出してしまいたい」と話し「社長が交代してすぐに破綻するなんて」と憤った。
やはり預金者だという高齢の女性も「とにかく説明してほしい。不安じゃないですか」と、
ブラインドが閉じたままの入り口を見つめていた。
本店の電話は「本日、金融庁より処分を受けました」と、問い合わせ先の
フリーダイヤルを知らせるメッセージが流れるだけ。早朝、本店前に姿を見せた
小畠晴喜社長=作家名・江上剛=は、報道陣に「今回のような事態を招き、
大変ご迷惑を掛けます」と陳謝した。
一方、電話で問い合わせてもつながらないため、名古屋店(名古屋市中区)に
来たという同市の60代男性は「退職金の一部を含め1千万円以上預けている。
今後の手続きが分からないので不安だ。金利が高いので、今から考えると
おかしいとは感じるが…」と話していた。
http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20100910038.html