民主党の小沢一郎前幹事長が26日、党代表選への立候補を決めたことで、代表選後に民主党分裂や
野党も巻き込んだ政界再編につながるのではないかとの見方が与野党に広がった。
「挙党態勢」を求めた鳩山由紀夫前首相の仲介が失敗したことから、菅直人首相と小沢氏のどちらが勝とうとも、
脱小沢路線の首相と、小沢氏との溝は埋めがたいと見られているためだ。
「何回も代表選を繰り返したが、分裂したことは一度もない」。首相は26日午前、首相官邸で新人議員にこう語り、
代表選後に挙党態勢を敷けると楽観してみせた。だが、党内での懸念は強く、首相周辺からも
「これが党の大きな亀裂になることはぜひ避けたい」(荒井聡国家戦略担当相)との声が漏れる。
小沢氏は、首相の消費税増税発言など政権運営に強い不満を示してきた。
ただ、首相が勝った場合、小沢氏サイドが排除を求めてきた仙谷由人官房長官や
枝野幸男幹事長が留任する可能性が高く、小沢氏サイドは党内の実権を取り戻すことはほぼ不可能になる。
衆院の新人議員は約140人。小沢氏が選挙実務を握っていた時代に初当選しただけに、
同氏の影響力が色濃く残る。小沢氏の側近議員は「新人ら100人を率いて離党すれば、
民主党は下野することになる」と漏らすなど、代表選に敗れれば政界再編を仕掛けるという見方は根強い。
このため首相周辺には「小沢氏側には『負けて勝つ』戦略があるのではないか。
60人も離党すれば、自民党や公明党との連携が視野に入る」と警戒する声がある。
26日の鳩山グループの会合でも「このままでは(分裂した)新進党と同じになる」と、
代表選後の結束を絶望視する意見が出た。小沢グループが離脱すれば、
国会での多数を押さえるために民主党と「小沢新党」による野党との連立工作が加速し、大規模な政界再編となる可能性もある。
一方、小沢氏が勝利した場合も、大連立を含めた連立政権の組み替えに動くのではないかとみられている。
小沢氏に出馬要請した山岡賢次副代表は26日のテレビ朝日の番組で「野党と健全な連立を組み政策を実現する以外に、
民主党が生き残る道はない」と語り、新たな連立を模索する考えを示した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100827k0000m010128000c.html >>2以降に続く