飲む虫よけ剤商品化? マウス実験で効果確認
2010.8.27 00:07
蚊が嫌うかんきつ系の香料を飲むと成分が毛穴から発散し、
蚊が寄りつかなくなる効果があることを、第一三共ヘルスケア(東京都)が
マウス実験で確認した。血を吸われる回数は最大で5分の1に減少。
同社は内服用虫よけ剤としての商品化を視野に特許を出願した。
同社によると、内服タイプの虫よけ剤は「聞いたことがない」という。
実験では、食品添加物として用いられる数種類のかんきつ系香料をマウスに投与。
最も効果が高かったのはシトラールで、投与から1時間後の観察では、
5分間に雌のシマカが皮膚にとまる回数は約4分の1に、血を吸う回数は約5分の1に減った。
投与量は体重50キロの人に換算すると数〜数十ミリグラムに相当し、飲み薬として非現実的な量ではない。
同社は「体全体をすきなくバリアできる」とメリットを強調。
研究開発部の塙(はなわ)雅明企画グループ長は「商品化するなら、
安全性や効能で相当な証拠をそろえる必要がある」と話し、
実際に開発に着手するかどうかは反響をみて慎重に判断したい考えだ。
蚊は動物や人の間で感染症ウイルスを媒介する。地球温暖化による熱帯の蚊の北上も懸念され、
今回の香料を家畜の飼料に添加し、感染症拡大を抑えるなどの利用も考えられるという。
産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/science/science/100827/scn1008270008000-n1.htm