【生活】「介護できる人、うらやましい」の投稿に賛否の声…「楽しいと思ったこと一度もない」など 産経 [08/26]

このエントリーをはてなブックマークに追加
2きのこ記者φ ★
(続き)

・生活への取り込み重要
無償で介護を行う家族などを支援する「ケアラー連盟」が今年4〜6月に介護者250人に行った
緊急アンケート(中間報告)によると、介護を「負担」に思う人は89.6%に上った。

介護者の過半数に「体の不調」がみられ、「心の不調」がある人も4割近く。
介護していることで自分が孤立していると感じる(感じた)ことがある人は98%に上り、
介護の大変さが改めて浮き彫りになった。

浴風会認知症介護研究・研修東京センターの須貝佑一・副センター長は「介護が大変かどうかは、
それまでの人間関係がうまくいっていたかどうかや、介護される側の状態で変わってくる。
情緒が通じ合い、先行きが見えれば、介護に楽しさも出てくる。しかし、嫁姑問題などを抱え、
突然、義母の介護生活に入ったなどのケースはつらいだろう」と分析する。

仙台市の女性(51)は「介護の大変さも、介護できない寂しさも分かる」とする。女性の両親は病気入院中に死去。
一方、認知症が進んだ義母は現在、介護なしでは暮らせない。「両親には退院して自宅に戻ってきてほしかった。
でも、義母の介護では逃げ出したくなるし、いらつくし、いつまで続くのかも不安」と明かす。

須貝氏は「介護が幸せか大変かとの問いは、介護のどの側面を重視しているかの差。『幸せだ』という人は、
生活を支援し、最期を看取れる人間関係が、情緒面からうらやましい。一方、『大変だ』という人は介護(の負担)を
イメージして言っている」と指摘する。

多くの「介護うつ」を見てきた須貝氏は「介護のつらさは状態や期間によっても異なる。家族やヘルパーなど、
支える人がいるか、医療の支援があるかも重要。医療につながっていれば、被介護者の状態が今後どう進むか、
平均余命がどのくらいかなどの情報が得られ、計画も立てやすい。医療的なコントロールをしながら、
介護を生活の中に取り込むことが何より重要だ」とアドバイスしている。

(記事終)