日本学術会議は代替療法「ホメオパシー」の効果について、「科学的な根拠がなく、荒唐無稽(こうとうむけい)」とし、
医療従事者が治療法に用いないよう求める会長談話を24日、発表した。山口市の女児ら死亡例が出たことを重視し、
この療法が広まる前に、芽を摘む必要があると判断した。同会議が、特定の療法を否定するのはきわめて異例だ。
金澤一郎会長が会見で発表した。声明では、現段階でホメオパシーを信じる人はそれほど多くないが、
医療現場から排除されないと「自然に近い安全で有効な治療という誤解」が広がると指摘。
科学的根拠は明確に否定されており、医療関係者が治療に用いることは認められないとした。
日本学術会議は、約84万人の科学者の代表として選ばれた210人の会員と、約2千人の連携会員からなる日本の「頭脳集団」。
政府に対する政策提言や、社会への啓発などを行う。唐木英明副会長によると、1年半ほど前からこの問題について議論してきたという。
昨年2月の厚生労働省の厚生科学審議会でも、金澤会長が指摘していた。
唐木副会長は「十分理解した上で個人的に使うことは自由だが、科学的に全否定されているものを医療従事者が使うことは、
通常医療を遠ざけることにつながり危険。
日本学術会議として、『ホメオパシーは効かない』というメッセージを伝えることが重要と考えた」と説明した。
記事引用元:asahi.com(2010年8月24日17時26分配信)
http://www.asahi.com/national/update/0824/TKY201008240373.html