「ひきこもり」から社会復帰を目指す若者の力を地域に還元させようと、大阪府吹田市のNPO法人「フルハウス」が新たなコミュニティー・ビジネスを始めた。
草むしりや植木の剪定(せんてい)など地域に役立つ仕事を通じて、社会との接点や労働体験の場を若者に提供する一方、
地域のお助け隊としての役割も担っているという。
「ばあちゃん、今日も暑いね」。8月上旬、フルハウスに通う男性6人が吹田市内の女性(80)の家を訪ねた。あいさつを交わして軍手をはめ、
草むしりなどの作業にとりかかる。素人ばかりだが、料金は30分500円と格安で、女性はこれまでに20回以上利用しているという。
人付き合いが苦手な若者もいるが、「何度も通うと依頼主との会話もはずむようになる」とフルハウス代表の桑田州さん(35)。
参加した20代の男性は「『ありがとう』といわれるのがうれしいと思うようになった」と汗をぬぐった。
フルハウスには、いじめや職場のトラブルなどを理由に、平均1年半〜2年のひきこもりを経験した10〜30代の男女約20人が通う。
家族から相談を受けたスタッフが何度も自宅に出向いて人間関係を築き、事務所に通うことから始まり、
調理実習やチラシ配りのアルバイトなど社会復帰に向けたトレーニングを段階的にこなす。
コミュニティービジネスは「人の役に立つことで自信や働く意欲を取り戻すきっかけになれば」と4月にスタート。
草むしりなどの作業のほか、今後は引っ越しの手伝いなどにも事業を拡大していくという。
桑田さんは「ひきこもりは就労までの道のりが長い。この取り組みが新しい支援の形として広がれば」と話している。
ソース 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100812-00000595-san-soci