★親切心逆手「心身ぼろぼろ」強姦被害、涙の訴え
・大阪府南部などで昨年2〜8月、道を尋ねるふりをして女性に近づき睡眠導入剤入りの
ジュースを飲ませて性的暴行を繰り返したとして、強盗強姦罪などで起訴された無職
前田孝行被告(42)を、府警捜査1課は近く、新たに2人への強盗強姦、強姦未遂の容疑
などで逮捕する。
逮捕は13回目、被害者は15人になる。「心身ともにぼろぼろにされた。当たり前の
日常を返して」。親切心を逆手に取られた被害女性の一人が、読売新聞の取材に応じ、
自らの体験と苦しみを語った。
昨夏。歩いて帰宅中、車の男に呼び止められた。「道を教えて。娘に迎えを頼まれたんです」。
道順を教えたが、「地図を描いて」と頼まれ、断れなかった。「お礼に」と差し出された缶ジュース。
しばらくして意識が遠のいた。
翌朝、自宅ベッドで目覚めた。家族に聞くと、未明に自力で帰ってきたらしい。体に残る違和感。
尿から睡眠導入剤の成分が検出された。「何かされた」。路上で地図を描くわずかな間、男が
缶を預かった。あの時、薬を入れられたのだ。
たばこを吸う男の姿、眼前に迫る顔。車内で泣き叫ぶ自分――。間もなく、断片的なシーンが
頭に次々と浮かぶようになり、夢でうなされた。「違う、現実だ」。突き落とされた。
「無視して帰っていれば」。男性の声を聞くだけで気分が悪くなり、仕事も手につかない。
体重は一時、9キロも減った。惨めさと、乗り越えたい気持ち。葛藤(かっとう)をつづった
手記はA4判、135ページに及んだ。
被害時の記憶がほとんどないことを「不幸中の幸い」と言われ、さらに傷ついた。「自分の
体なのに何をされたかわからない。でもあの男は知っている。その恐怖がどれほどのものか」
(
>>2-10につづく)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100809-OYT1T00360.htm?from=main1 ※画像:被害女性がつづった手記。「あの日以来、毎日泣いています」「心の傷は一生消えない」。苦悩の言葉が並んでいる
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20100809-891203-1-L.jpg